目の前を赤いサーフボードを手にしたサーファーが通り過ぎる。
赤いサーフボードをじっと見つめながら、男は昔の事を思い出していた。
男「・・・あれからもう10年、か・・・。」
男の子「ねぇ、さっきのサーフボード見た?」
女の子「見たよー。赤いボードでしょ?」
男の子「そうそう。アレと同じ色の、どっかで見たんだよなぁ。」
女の子「ふーん。どこで見たの?」
男の子「なんだっけ?・・・あ!」
女の子「思い出した?」
男の子「こないだママが見てたアルバムだよ。」
女の子「アルバム?・・・あー見た!ママ若かったよね♪」
男の子「そうそう。あの中に写ってなかった?赤いボード。」
女の子「う~・・・あったっけ?」
男の子「あったよ。・・・確かママの隣に立ってた人が持ってた。」
女の子「ママの隣?・・・あぁ~、居たかも。でもアレって・・・」
女性A「ねぇねぇ、知ってる?ここの浜辺の伝説。」
女性B「伝説?なにそれ?」
女性A「なんかねー、赤いサーフボードでどんな波も乗りこなしちゃうっていう伝説のサーファーがいたんだって。」
女性B「へぇ~。その人って今もいるの?」
女性A「ん~・・・、それがね、なんか突然辞めたらしいよ?波乗るの。」
女性B「えー?なんで?」
女性A「さぁ・・・よくわかんない。『賭け』をして負けたとか何とか・・・」
女性B「『賭け』・・・?何の賭けしたんだろ?」
女性A「なんだろねぇ・・・。でもホント凄かったらしいよ?」
女性B「ふ~ん・・・。乗ってるトコ見てみたかったね。」
男「あの時は俺、アイツにハメられた!・・・なんて勘違いして・・・。」
男「・・・でも、アイツはあの時、全部わかってて、俺にチャンスをくれたんだよな。」
男「・・・伝説の・・・なんて言われていい気になって・・・大切なものを失うトコだったんだ・・・俺は。」
男「あれからもう10年・・・。・・・元気でやってるかな?アイツも・・・。」
男「会えばきっと『お互い年取ったなぁ』って・・・笑っちゃうんだろうな・・・。・・・ははっ。」
男「・・・会いに・・・行ってみるか。アイツの好きだった酒でも持って。」
男の子「パパー!見てみてー!」
女の子「パパー!足、冷たくて気持ちいいよー?」
男(パパ)「あんまり服、濡らすなよー?ママに怒られるのパパなんだからなー?」
男はそう言いながら、小さく微笑んだ。
男(パパ)「・・・大切なもの、か・・・。」
そう男は口にすると立ち上がり、腰の砂を払い落としながら、波打ち際で遊ぶ子供達を優しく見つめながら、古く懐かしい親友に会いに行く計画を頭の中で立て始めるのであった・・・。
<終わり>
※写真下の会話文は筆者のド妄想であり、フィクションです。
※撮影地:高知県黒潮町-入野海岸
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